『Sons - Document 1973 - Le Manor』



(recorded in mono on april 15, 1973)


Klaus Blasquiz - chant, percussions
René Garber - chant, percussions, clarinet basse
Jannick Top - chant, percussions, organ
Christian Vander - chant, percussions, batterie

Nëhèh (Këhr)  70:06

 これと次(AKTⅢ)の『Les Voyages de Christophe Colomb』は本家の通販カタログからさえも抹殺されている為、私も血眼になって探しました。

 本作は、聖典『M.D.K』が正式録音された次の日の夜に執り行われた即興演奏の、恐らく一部分を収録したものです。『M.D.K』の興奮冷めやらぬトップが墓地の見えるスタジオで独りオルガンを演奏していたところ、その異様な雰囲気を察知したヴァンデ達が共に演奏を始めた、らしいです。

 良いです。この設定、日常生活では使われない部分の脳が刺激されます。

 その内容ですが、正直如何書けば良いのか分かりません。終始裏声による呻き声(これは真の意味で読経に近い)が聴こえ、パーカッションが打ち鳴らされています。サウンド的にはミューア在籍時のクリムゾンのインプロに近いかも知れません。『M.D.K』の録音で発生し過ぎて、行き所を失った霊的エネルギーが迸っている、と言ったら胡散臭いのですが、この面子に限ってはそれもアリです。

 私の様に、『M.D.K』の後日談に興味が有るなら、それが充足されるという意味では満足出来ます。資料的価値(ってタイトルに書いてありますが…)はあるということです。音楽的には何回も聴きたくなるものでは有りません。