『 "Les Voix" - Concert 1992 - Douarnenez』



Stella Vander - chant
Addie Deat - chant
Julie Vander - chant
Benedicte Ragu - chant
Isabelle Feuillebois - chant
Jean Christophe Gamet - chant
Alex Ferrand - chant
Jean Francois Deat - chant
Pierre Michel Sivadier - claviers
Simon Goubert - piano, claviers
Philippe Dardelle - contrebasse
Christian Vander - chant, piano, batterie


 声を主体にしたプロジェクト"Les Voix De Magma"のコンサートの一部を収録。コーラス隊はヴァンデを含む総勢9名という大所帯です。
 『Attahk』で示された彼等の音楽的変化の主要な部分が"声"への拘りであると思うのですが、「Zëss」、「Wurdah Ïtah」といった、それを良く表す楽曲が集結されています。「Zëss」はさらに純化されています。

Ëmëhntëht-Rê (announcement)  3:39

 『Hhai』で聴けたものから後半の不気味なパートを削ったもの。"黙示"というこの曲、「Zëss」の冒頭と良く似た音空間を持ち、儀式の幕開けを告げます。荘厳な旋律である主テーマは後に「Zonbies」のフィナーレで再登場し、組曲を纏め上げます。

C'est Pour Nous  7:56

 Offeringより。ステラの声が風の様に流れ、ヴァンデの即興スキャットを間に挟む曲です。ヴァンデのスキャットは「Zëss」に通じるものがあります。

Zëss (extrait)  17:18

 E.ギター、ドラム、ベースも無しで、ひたすらピアノとシンセ(管楽器のパートを担当)がリズムをキープします。冒頭は普段と同様ですが、詩の朗読を省略し、いきなりヴァンデのスキャットへ。何しろ鳴っている楽器が殆どピアノだけなので、普段のこの曲とは全く異なる印象を受けます。女声が良く響き、聴き易いです。

Wurdah Ïtah (extrait)  15:46

 「Waïnsaht !!!」から「C'est la vie qui les a menés là !」までを収録。この曲は直前の(CDには収録されていませんが)「Theusz Hamtaahk」から継ぎ目無しに始まっていたのですが、冒頭でその名残が聴き取れるかと思います。終わりも同様で、この次に「M.D.K.」が始まります。大音量にすると最後の方でかの曲のピアノ・フレーズが聴こえてきます。
 さてこの曲は大変貴重な収録なので私もかなり楽しみにしていたのですが、1分25秒のところは露骨なミスで少し興醒めします。それ以外は流石に大人数を引き連れているだけあってなかなか表情豊かな合唱が楽しめます。ピアノの音色はスタジオ録音の時よりも硬質な感じです。


 "Les Voix De Magma"は声を主体にしたMAGMAの楽曲の演奏、ということで「Theusz Hamtaahk」や「M.D.K.」の様な、(残念ながら)楽器に依る部分が大きくなってしまった*1楽曲はここでは収録されていませんが、アレンジは気になります。何かの機会に発表して頂きたいものです。因みに「M.D.K.」は以下の様になるみたいです。

MAGMA les Voix

2008/2/7の演奏だそうです。最近ではありませんか。頭髪のあるボーギの姿が拝めます。
「Nebëhr Gudahtt」から「Mëkanïk Kömmandöh」の途中までを録ったようです。

 

*1:元々はそうではなかったと思います。私が『BBC 1974』の「Theusz Hamtaahk」が良いと思っている理由の半分はヤニック・トップのベースにあり、そしてもう半分はヴァンデのスキャットであり絶叫であり呪文であるといった"声"にあります。これ以降のこの曲のテイクはベースは勿論、声も"普通"程度であると感じます。「M.D.K.」は言わずもがな、です。