『Persepolis + Remixes』- Iannis Xenakis



 大体、普通の音楽なら何度も繰り返し聴くことで次第に良さが分かってくるものです。その内登場してもらおうと思っていますが、シュルツェの『Timewind』などは、私は最近になって漸く彼の気持ちと重なる感覚を得ることが出来た気がしてきたものです。

 そのような音楽が多い中で、時に聴いた瞬間に名盤・名曲であること確信する事態に陥ることが確かにあります。私の場合は、『Earthbound』が最古の一品です。そしてクセナキスの「Persepolis」が直近の一曲になっています。

 ああ、私は確かにこの曲のこの感覚とどこかで触れ合った覚えがあります。「THRAK」アウトロ、「An Index Of Metals」、「Scorched Earth」アウトロ……そうでした。金属を引き裂くような悲鳴、私はそれに惹かれて、何故多くの曲はもっとも大事な部分をそんなに短い時間で済ませてしまうのかと不思議に思っていたのでした。そうです。この「Persepolis」で聴けるのは人間の悲鳴や絶叫に似た、根源的な力です。ただのノイズではありません。もっと、腹の底から搾り出されている人間的な音です。

 他に私が思い付く相似形としては、「Facelift」の冒頭部のグギグギいっている部分にも少しだけ通じるものがあるかと思います。または、『Dark Side of The Moog II』の、カエルの鳴き声の持つ力。

 そのような訳でして、大爆音で良く聴いています。倒れそうになります。大きな力に包み込まれて、頭が爆発しそうになります。喉から空気が漏れる音がします。

 最近得た情報によると、音楽に余り興味が無い人は酒やスポーツでストレスを発散されるそうです。それでどちらも好きでないと私が答えるとしばしばどのようにストレス発散しているのか聞いてくるのですが、そこで「音楽です」なんて答えると白けます。信じてもらえないので、お薦めしません。


こんな感じです。良く聴いて下さい。一応ストーリーがあります。この曲は一時間もありますが面倒なので全部は貼りません。

Xenakis- Persepolis [GRM Mix] (1/6)