MAGMA来日20090528@渋谷O-East

  学生レベルのライヴなら何度か足を運んだことはあるものの、プロの"表現者"が行う舞台に出向いたのは生まれて初めてでした。
 海外旅行の原理と同じで、行ったからにはその内容は素晴らしいものでなければならないという自己暗示の分を差し引いても、今回ライヴに行って良かったと思いました。

Wöhst Klahmeuhn

どう考えても発展途上の曲です。重低音のアンサンブルの中、Herve Akninの唸り声がこだまする怖い曲。Herveはアントワーヌとはまた全く異なる声質を持っていて、外見通りパワフルなものです。また、次の曲を聴いて分かる通り、低い声が素晴らしい響きを持っています。男声に関しては彼一人で今後も十分であるかと思います。

Félicité Thösz

今回ライヴに行って、私はこの曲に心底魅せられました。Bruno Ruderのピアノソロ、良かったですよ。声はStellaが主役のような感じでしたが、物凄く凛々しい御姿でした。彼らの活躍に私は思わず拍手をしたくなったものですが、周りのお客さんがおとなしかったので出来ませんでした。全体を通して、みなさんあまり乗ってないなと感じました。ラスト5分位で雰囲気が変わりChristianが歌いだすところから、私はじっとしていなければならないのが非常に辛かったです。心の中は完全にトリップ状態でした。

この曲は今後主力になりそうな感じです。今思い返すと、MAGMAも随分遠くへ行ってしまった……と感じたもので、次の曲と合わせて私ももっと彼らのことを知ろうと思ったものです。

Ëmëhntëht-Rê

2005年のDVDからまた20分程追加されて、50分強に進化したもの。正直私はこの曲は何だか突き放された感じがするので、余り好きじゃなかったのですが、特に今回感じたのは、追加されたパートが迷宮をあてどなく彷徨しているような感じで、ひたすら暗く、重く(あの低音って、ベースから出せるんですか?)、遅く、荘厳で混沌としていて、私はMAGMA、もといChristianが何を考えているのか、何を表現しようとしているのか分からなくて、悲しくなりました。「Hhai」の部分を含む前半はともかく曲全体の後半は私はまだ立ち入れません。彼らが遠いです。

Kobaïa

40周年記念、ということで演奏されました。かなり気合が入った演奏で、あまり目立ってなかったMac Gawの活躍も見られました。

ここでアンコールを求めて手拍子になり、私ももっと聴きたかったので一生懸命手を叩いた訳ですが、どうも音が小さい。それこそ手の骨が砕けるんじゃないかという位叩きましたが、何でだろう。その上周りの人も立ち上がっていて背伸びしないとステージが見えませんでした。

Ballade Nocturne

戻ってきたChristianが歌ってくれました。「マイクスタンドを傾けて裏声で絶叫」も聴けました。指の動きまで左視力1.5右視力1.0の平均的な私の眼に焼き付けました。


流石にここまで、という雰囲気が出ていたので、周りの人も潔く帰ってました。
私も複雑な思いを抱えつつ、「Félicité Thösz」を思い出しながらそそくさと帰りました。


以上