『Blackdance』- Klaus Schulze


 74年作です。そんなに有名ではないのでしょうか。割と単純で格好良い音楽なので
初心者向けな気がします。虚ろで灰色な心象風景を手軽に楽しみたい方にお薦めです。

Way Of Changes  17:04

オルガンと12弦アコースティック・ギターアルペジオが孤独な序盤の展開。わずかな前兆を見せて、やや唐突に高速のリズムと共に……タムタムでしょうか、そのようなパーカッションが展開され、その上にシュルツェのソロが乗ります。
オルガンの低音が効果的に働いていると思います。このような低音の使い方は『Kontinuum』の「Sequenzer」に通じるものがあります。

 ですが、多少安易です。つまり外見は退廃的なのですが、『Timewind』のように言葉にならない本音が随所に鏤められているようなことはほぼ無いのではないかと思います。一歩間違えるとドリーム・シアターの音楽になってしまいますが、そこまで酷くはありません。普通に何度も聴けます。寧ろかなり格好良いのですが、中途半端さが目立つということです。この曲を聴いて、何か満足感が得られるかというと、私の場合はそのようなことは無いのです。


Some Velvet Phasing  8:19

前の曲の緩和剤のようなもの。特に意味は無さそうです。

Voices Of Syn  22:27

男声テノールのアカペラがとても珍しい一品。
初めて聴いた時は後半の展開で眠りました。ひたすら単調なのは良いとして、リズムがまた催眠効果を持っています。私はまだこの曲をどう聴けば良いのか分かっていません。