『Retrospektiw Vol.1-2』
Klaus Balsquiz - chant
Stella Vander - chant
Liza Deluxe - chant
Claire Laborde - chant
Maria Popkiewicz - chant
Dider Lockwood - violon
Gabriel Federow - guitare
Jean Luc Chevalier - guitare
Patrick Gauthier - claviers
Benoît - Widemann claviers
Bernard Paganotti - basse
Christian Vander - chant, claviers, batterie
1980年6月の9,10,11日に行われたMAGMA結成10周年記念コンサートより。ぎりぎりでCD1枚に収まらない時間になっているため2枚組みで各ディスクに1曲ずつ配置されています。
REXシリーズとしてリリースされているだけあって、きちんと録音されており音質は良いです。
このライヴ版の主な特徴としては、珍しくもヴァンデが叩きながら歌っている場面が見られるということが挙げられるでしょう。
Zünd 1 - Theusz Hamtaahk (1er mouvement) 36:05
安定した演奏ですが不気味さや有無を言わせない迫力は余りありません。パガノッティのベースは硬質な印象でゴリゴリと聴かせます。若干音がシンセっぽいので他のテイクよりも軽い感じがします。
終了後にサイレンと「De Futura」の臨終気味な発信音、それに乗せて人々の悲鳴らしきものが聴こえてきますが何も起こらずそのまま終了します。
Zünd 2 - Mekanïk Destruktïw Kommandöh (3eme mouvement) 40:04
「M.D.K.」の冒頭に行われる演説は単純なものから凝ったもの、呪術的なものなど色々なヴァージョンがありますが、このテイクで聴くことが出来る形式のものは全ての演説の中で一番真に迫っていると思います。動画でこのライヴ版の序盤のベースをコピーをしている人*1が見られますので参照してください。この演説は大音量で聴くと物凄いストレスの発散になるのでおすすめです。ところでこの演説している人物は誰なのでしょうか。ヴァンデっぽいのですがちょっと声が違うような。
前曲同様、シンセ多用につき普段と雰囲気が異なります(といってもどのテイクも特徴的と言えば特徴的なのですが)。
「賛美歌」では貴重なヴァンデのファルセットが聴けます。これがなくてはこのパートは盛り上がりません。
「賛美歌」が終わると、謎のフェイド・アウト後に一瞬音が切れて、パガノッティのベースの謎のフェイド・インとなります。LP時代ならまだ分かりますが、CDになってせっかく1枚まるごと使えるのだから切れていない完全なものを聴きたいところです。
パガノッティのソロは例によってエフェクト過剰なノイズ発生器になっており、かなり楽しめます。続く「Nebëhr Gudahtt」〜「Mëkanïk Kömmandöh」は音がシンセ的なのでどこか不思議な手触りで、面白いとは思いますが特段好きにはなりません。ラストは余韻たっぷりで少し未練がましいです。
*1:この人は『Attahk』の全てのベースもコピーしているみたいです。